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【グラン・トリノ】

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DVD

【グラン・トリノ】

この作品は、場面場面で、国の事、人種の事、戦争の事、そして人の心の変化してゆく様を、痛いくらい、映像の中に詰め込み訴えかけてくる。











クライマックスで、ウォルトが、タオの従兄弟の居るアジトに丸腰で向かい、銃を取る仕草を取った事で、相手側に引き金を引かれて絶命してしまうのだけど、そのシーンを最初に観た時は、タオ兄妹の仇と、戦争で奪ってきたたくさんの命に、自身の命を投げ出す事で、生と死に向き合うという、ウォルトなりの決着だったのだろうかな、なんて思ってた。

胸を引き裂くほど悲しいシーンだったから、その後のシーンを覚えていなくて、再度観て、クリント・イーストウッドが見せたかったのは、ウォルトが絶命した後の事なのかなと思えてきた。

事件現場に集まる警察…
ウォルトの遺体を運ぶ救命救急士…
妻を亡くしたウォルトを気にかけていた若い神父様…
ウォルトを撃った容疑者達…
事件の目撃者の近所の住民…

現場に駆けつけたタオ姉兄、、、、

白人も黒人も東洋人も、悪人も善人も、それぞれの人種が、ウォルトの決着した場所に集まってた。

戦争は、国と国との争いだけではない。

差別する事で生まれた社会の中で生きる者達にどう向き合い、そして、自分という人間がどう生きてゆくべきか…

クリント・イーストウッドは、『隣人を愛す事』を伝えたかったのかな…なんて思った。


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